【春のトリビアレポート】春を表す季語・言葉について
2014年03月13日
日本の春を象徴する『桜』が、断トツの1位
【あなたにとって春を表す季語(単語、言葉)は?】
また、一般の方の3位には『雪解け』がランクインしました。『雪解け』の回答者の大多数が北海道在住で、「北海道の春は雪解けとともに始まるので」、「根雪がとけて土が顔をだし始めるとやっと春が来たと思う」などのコメントが寄せられました。
一方、気象予報士の3位では専門家らしい回答で「春霞」がランクイン。「冬の澄んでキリッとした空気ではなく、暖かな綿毛に包まれたような霞。遠くの景色も朧になる。暖かくモヤッとした感じが好きです」などのコメントがありました。
ちなみに春は入学・卒業の季節ですが、一般の方と気象予報士ともに『入学(式)など』(ともに2位)が、『卒業(式)』(ともに4位)よりも上位という結果でした。春の季節は、「別れ」よりも「新たな出会い」の方が印象に残っているのかもしれません。
【気象予報士コラム3】 春一番の定義とは!? ~大荒れ天気に要注意~
春の訪れを告げる気象現象の一つ「春一番」。実は、全国どこでも吹く風ではなく、毎年吹くとも限りません。地域限定の風で、期間や条件が決まっています。春一番が吹く地域は、九州から関東にかけて。時期は立春を過ぎてから春分の間です。その他の条件は、地域によって少しずつ違います(下表)。条件に当てはまった場合だけ、地元の気象台が「春一番が吹きました」と発表するため、風速が及ばなかったなどの理由で、春一番の発表がない年もあります。そのため、平年日もありません。2013年は、発表対象の全ての地域で春一番が吹きましたが、東海地方では4年ぶりの春一番でした。
春一番は、春の季語にもなっており、暖かくて穏やかな風をイメージされる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、春一番という風は、150年以上も前に海難事故をもたらした強風がきっかけと言われています。1859年、冬から春に季節が変わる際、長崎県の壱岐で強い南風が吹いて天気が急変し、海で漁をしていた船が遭難しました。漁師達はこの強風を恐れて春一番と呼ぶようになったそうです。壱岐の岬には、1987年に「春一番の塔」も建立されました。
そんな春一番は、現代でも荒れた天気を引き起こすことがあります。2013年は、九州北部や中国、四国、関東に春一番が吹いた翌日の3月2日、日本海の低気圧が発達しながら北海道付近に進み、暴風雪をもたらしたことで、尊い命が犠牲になりました。春一番の発表は季節が一歩進んだという便りですが、一方で、春の災害が発生しやすい季節を迎えたということでもあるのです。春一番が発表される地域では春一番そのものの強い南風が災害を引き起すことが多いですが、東北や北海道のように春一番の発表がない地域でも、春先の荒れた天気には注意が必要です。
<気象予報士>
テレビ山梨アナウンサーとして、ニュース、情報番組、音楽番組、など、各種番組を担当。
気象キャスターとして、テレビ山梨、FM FUJI ニュースなどを担当。
2008年5月~日本気象協会に所属し、ラジオやテレビなどの原稿作成のほか、NHKラジオ深夜便、NHKFM千葉などに出演。フジテレビの気象解説や、NHKラジオ「ジャーナル」気象キャスターなどをつとめた経験も。
主婦ならではの目線で、気象に関する情報発信を目指している。
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