二十四節気「寒露」はどんな季節?天候の特徴や旬の食べ物、暮らしのポイントについて解説

この記事では、「寒露」はどんな季節なのか、天気図やことわざで見る天候の特徴や旬の食べ物、暮らしのポイントについて解説します。
「寒露」とは?

朝晩の冷え込みが強まり、草花におりる露がつめたく感じられるころという意味です。
「寒露」は期間を指すこともあり、その場合は10月8日から次の二十四節気「霜降」の前日、10月22日までです。
「寒露」と「霜降」は、暦の上では晩秋にあたり、秋が深まり、冬の始まりが見えてくる時期。北海道や標高の高い地域では、朝晩を中心に涼しさから寒さへと変わっていきます。
なお、「寒露」は毎年10月8日頃ですが、日にちは太陽の動きによって決まっているため、年によって一日程度前後することがあります。2026年の「寒露」は、10月8日です。
「寒露」の七十二候
七十二候は、二十四節気をさらに3つに分けた暦で、より細やかな自然の移ろいを感じることができます。
〇「鴻雁来(こうがんきたる)」10月8日~10月12日頃
雁が北から日本へ渡ってくる頃。雁は冬を日本で過ごし、春になると再び北へ帰ります。
〇「菊花開(きくのはなひらく)」10月13日~10月17日頃
菊の花が咲く頃。この頃の晴天を「菊日和」といい、秋の季語になっています。
〇「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)」10月18日~10月22日頃
秋の虫が戸口で鳴く頃。昔はコオロギのことをキリギリスと呼び、蟋蟀は秋に鳴く虫の総称を指すと言われています。
「寒露」はどんな季節?

山では木々が色づき始め、北の地域から紅葉の便りが届き始めます。
紅葉前線のスタート(紅葉の平年日※)は、北海道の釧路市で10月16日、帯広市で10月20日。その後、紅葉前線は12月の初めにかけて日本列島を南下していきます。
※平年日は、1991~2020年のデータを平均して算出されたもの。
天気図やことわざで見る天候の特徴

上図は、2023年10月12日午前9時の天気図です。
この頃になると、夏の空気と秋の空気を分ける秋雨前線は、北からの秋の空気が優勢になるとともに日本の南の海上に下がり、次第に消滅します。
そして日本付近は、移動性の高気圧に覆われたり、上図のように東西に連なる帯状の高気圧に覆われたりして、晴れる日が多くなります。大陸育ちの乾いた空気をもつ高気圧で、秋らしいさわやかな晴天をもたらします。
日中は日差しとともに気温が上がりますが、夜間は放射冷却が強まってぐっと気温が下がるため、一日の中での気温の変化が大きくなります。晴れる日は、内陸部を中心に気温差が15℃以上になることも珍しくありません。
気温が5℃変わると、服1枚分変わると言われているので、15℃変わると、服3枚分もの調整が必要ということになります。
また、この頃の天候を表すことわざに「一雨一度(ひとあめいちど)」があります。
雨が降るごとに気温が1℃下がるという意味で、秋に使われます。
秋は移動性の高気圧と低気圧が交互に通過し、低気圧から延びる寒冷前線が通過する際、広い範囲に雨を降らせます。そして、「雨→冷たい空気の流入→気温低下」を繰り返して、秋が深まっていきます。ただ、実際には、気温が1℃ずつ下がっていくわけではありません。雨の後に気温が上がることもあったり、雨の前に気温が上昇して雨の後に急降下(5℃~10℃低下)したりすることもあります。
なお、台風シーズンは終わりが近づきますが、年によっては台風が日本へ接近し、影響が出ることがあるため、注意が必要です。
食欲の秋!旬を迎える食べ物

〇栗
栗は野菜と間違えられやすいですが、木に実る果物です。いも類(生)よりも多くのエネルギーがとれ、渋皮には抗酸化作用のあるポリフェノールの一種であるタンニンが多く含まれています。秋の栗料理といえば、栗ご飯。ほくほくの栗と絶妙な塩加減で、素材本来の美味しさが引き立ちますね。
〇しいたけなどのきのこ類
原木栽培のしいたけは春と秋に多く出回りますが、秋は香り高い味わいを楽しめるのが特徴です。生しいたけは、日光にあてるとビタミンDが増え、香りも増します。晴れた日に、カサを下向きにしてざるに並べ、干してみてください。食べる前に30分~2時間程度干すだけでも効果があります。
〇青梗菜(ちんげんさい)
青梗菜はビタミンやミネラルが豊富な緑黄色野菜です。中国の華中地区でつくられていた青梗菜は、中華料理はもちろん、西洋料理にも合う万能野菜。ハクサイの仲間で、煮崩れしない特徴があります。栄養素を効果的に引き出すため、油でいためるのがおすすめです。
<参考>
農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1910/spe2_01.html
JAグループ
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=42
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=20
暮らしのポイント
前で述べたように、晴れた日は一日の気温の変化が大きくなりやすく、雨の前後で日ごとの気温が大きく変化することもあります。うっかり体を冷やしてしまわないよう、服装選びには注意が必要です。脱ぎ着しやすい服装を選んで、調整しましょう。衣替えは計画的に進めていくと良さそうです。
季節の変わり目なので、体調の管理に気をつけて、秋を満喫してくださいね。