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    「日傘で20℃差」M7.1地震被災生徒が“真夏の避難”で発見した「命を守る」小さな工夫 宮崎市青島でフィールドワーク

    2024年夏に日向灘沖M7.1の地震と津波注意報を経験した生徒たちが、1年後、同じ場所・宮崎市青島で津波防災フィールドワークを行った。防災意識の維持・向上を目指し、避難経路の課題を見つけたり、夜間訓練や炎天下での避難体験を行い、課題を探った。

    津波防災に関する研究活動

    五ヶ瀬中等教育学校では、3年前から九州大学や宮崎公立大学などと連携し、県内の津波防災に関する研究活動を行っている。

    前回2024年、宮崎市青島で同様の訓練を行った直後、日向灘沖でマグニチュード7.1の地震が発生。生徒たちは訓練通り迅速に避難し命を守ることができた。

    五ヶ瀬中等教育学校 上田聖矢教諭:
    昨年度の地震からちょうど1年が経つこの時期に、もう一度改めて避難訓練をし続けることで、防災意識を常に生徒たち自身が持ってほしい。

    今回のフィールドワークでは、日南高校の生徒も一緒に津波避難訓練用のアプリ「逃げトレ」を使ってチームごとに高台に避難する訓練を行った。

    こどものくにをスタートしたのは、前回、地震を経験した3人と宮崎公立大学の山下裕亮准教授のチーム。生徒たちは避難経路に横断歩道が少ないことや看板の位置が見えにくいことなど、多くの課題を見つけていた。

    参加した生徒:
    どっちに避難すれば良いかを迷うポイントが多かったと思って、自分が置かれている状況によってどう避難したら良いかが分かれる場所が多いという印象でした。

    宮崎公立大学 山下裕亮准教授:
    高校生、中学生が実際に歩くというのは彼ら自身の見識を広げることになる。そういった活動が地域のためになるという、良い循環が生まれていると思う。

    看板が見えない夜間訓練

    夜に行われた訓練では、昼間と同じ避難経路を歩いた。避難看板が見えなかったり道を間違えたりするなど、夜間ならではの課題が見えてきた。

    炎天下での避難体験

    翌日、生徒たちの姿は避難所として利用される青島地域総合センターの屋上にあった。

    真夏の避難を想定し、外で昼食をとっている。周りの温度や体温をサーモカメラで記録しているそうだ。

    今回のフィールドワークでは、「1.5次避難」もしくは「2次避難」を主たるテーマとしている。「1.5次避難」とは、最初に避難する「1次避難所」から、避難生活が可能な「2次避難所」へ移るまでの避難行動のことだ。

    実施の背景には、前回のあの日の記憶があった。

    前回の避難訓練時に被災した生徒:
    正直パニックになったし、どうすればいいか分からなかった。高台に逃げたけど屋根がなくて、日差しが強くて暑かった。

    五ヶ瀬中等教育学校 上田聖矢教諭:
    我々が避難したのは国道220号線のバイパスの高台。炎天下で、日よけをできるような場所もなかった。本当に着の身着のままで避難をしたので、そういった課題が見えてきた。

    この日撮影されたサーモカメラの画像。炎天下では地面のコンクリートの温度が約60℃の赤で示されている。しかし、日傘をさしている生徒の地面は約40℃の緑になり、日向と日陰では20℃以上の差があった。

    生徒:
    サーモカメラで見たら、日傘をさしているだけでもすごく体温が下がっていたので、ちょっとした工夫がすごく大事だなと思った。

    生徒:
    これがずっと続くと考えたら、耐え切れない。コンクリートが直接肌につかないように、シートがあるとだいぶマシなのかなと思った。

    真夏は基本的な暑さ対策をするだけでも、一時避難を乗り越えることにつながると学んだ。

    見つけた課題の共有

    2日間のフィールドワークを終えた生徒たちは、宮崎市危機管理課などを交えた報告会を行った。

    五ヶ瀬中等教育学校の上田聖矢教諭は、「次のステップとして、大事な家族や友人、もしくは県民であるとか、全体の命を守るための行動を取るようなスキルを身につけてほしい」と話す。

    参加した生徒:
    防災意識は、まず知ることが重要なので、少しずつでもこういう活動に興味を持っていけたらなと思う。日頃の備えとか避難経路を確認するのはすごく大事だと思うので、ぜひ皆さんも今日からちょっと注意して生活をしてみてください。

    生徒達の取り組みは、地域住民の命を守ることに、直接つながっている。

    (テレビ宮崎)

    「日傘で20℃差」M7.1地震被災生徒が“真夏の避難”で発見した「命を守る」小さな工夫 宮崎市青島でフィールドワーク

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