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    予防に早期発見と対処がポイント「熱中症対策」命を落とさないために…救命救急の現場からメッセージ 島根

    山陰地方でも異例の暑さが続く中、気を付けなければならない熱中症。重症化すると命を落とすおそれもあります。そうした熱中症の患者も搬送される救命救急の現場を取材しました。

    松江赤十字病院・田邊翔太医師:
    全国のデータを見てみても、熱中症患者は少しずつ増えている。

    こう話すのは、松江市の松江赤十字病院の田邊翔太医師。
    救急部の部長、救命救急センターの責任者です。

    山陰でも記録的な猛暑に見舞われている2025年の夏、熱中症患者の増加を実感しています。

    松江赤十字病院 田邊翔太医師:
    2時間くらい野外にいたんですね。輸液(点滴)をしてもらっていいですか。

    搬送されてきたのは90代の男性。ぐったりとした様子です。
    8月4日の島根県松江市は、未明にかけても気温が25℃を上回り熱帯夜となりました。
    日中も最高気温35.1℃と猛暑日を記録。

    厳しい暑さの中、男性は自宅の外で数時間、牛乳の配達を待っていたところ、意識を失い、異変に気づいた妻が119番通報しました。

    松江赤十字病院・田邊翔太医師:
    熱中症かもしれないので、いろいろと点滴とかさせてくださいね。検査もしますよ。

    点滴などの処置を行うと、男性は意識を回復。命に別状はありませんでした。

    搬送された男性の妻:
    屋根があって風もあったので大丈夫かなと思っていて、お父さん(牛乳屋さんが)来られたよって言っても返事がなくて。

    松江赤十字病院・田邊翔太医師:
    かなり暑い環境で少なくとも2、3時間はいたと思うので、熱中症が一番考えられるんじゃないかなと思います。4段階に分けると3段階目くらいになるんじゃないかなと思います。

    2025年5月から7月末までに熱中症患者が搬送された人数は、島根県が410人、鳥取県が350人で、ともに2024年に比べ増加しています。

    松江赤十字病院・田邊翔太医師:
    医学界では熱中症を4つに分類しています。

    記録的な暑さが当たり前のように続く近年、日本救急医学会は重い熱中症にも迅速に対処できるよう重症度の目安を2024年、9年ぶりに見直しました。
    これまでの3段階の区分に最も重い症状にあたる「4度」を新たに設定。
    命に関わるレベルで直ちに集中治療が必要だとしています。

    山陰両県では2025年、3週間以上入院が必要な「重症」の患者は31人にのぼっています。

    松江赤十字病院・田邊翔太医師:
    (農業用ハウスで)朝から作業されていて、お昼ごろにご家族が見に行かれたら倒れていて、救急隊が駆け付けた時には心臓が止まっていた。

    この夏に取材した松江市内の農家では、晴天の日中のハウス内の気温は50℃近くまで上昇していました。
    病院によると、松江市では2025年、ハウスの中で長時間作業していた人が死亡したケースも確認されているということです。

    松江赤十字病院・田邊翔太医師:
    長く作業をしない、小まめに休憩をとる、水分はもちろん塩分もしっかりとることが必要。

    熱中症にならないためのキーワードは「無理をしない」です。

    松江赤十字病院・田邊翔太医師:
    外で作業をして、ちょっとおかしいなと思った時点で早めに対処すると、十分に病院に来ずに自分で治すことができるので、予防だけじゃなくて軽症のうちに気付けば対処ができるのが熱中症。

    予防が可能な熱中症…しっかり対策を取ることが重要です。

    予防に早期発見と対処がポイント「熱中症対策」命を落とさないために…救命救急の現場からメッセージ 島根

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