湯の中でふわりと開いて、ほのかに香って、春爛漫。さくら湯で愉しむ、小さなお花見
2015年03月26日
春のおもてなしばかりでなく、結納や、結婚式でも飲まれる「さくら湯」
ゆらりゆらりと湯の中で花びらがゆらめくさまも、目と心を躍らせ、春の訪れを五感で愉しむことができる「さくら湯」。「桜茶」とも呼ばれ、結納や結婚式、卒業式など、おめでたい席で飲まれた方も多いのではないでしょうか。
その場だけ取り繕うという意味の「お茶を濁す」ことを嫌う一方で、「花開く」様子が縁起がいいと好まれたことから、お茶の代わりに桜湯を出すようになったとのこと。
人生の春を迎えた花嫁と花婿を囲む晴れの日に、なんともふさわしく、華やかなおもてなしですね。
さくら湯に使われる桜の品種は主に「関山」。美しい八重桜です
花がまだ3~5分咲きの頃に摘み取り、ガクを一つ一つ取り除く繊細な手仕事を経て、器のなかで美しく花開く、桜の花漬けができるのです。
北海道にある八重桜の名所「松前」から届く桜の便り
この桜の里で出会ったさくら湯は、「ゆざくら」とパッケージに記された名も優美。松前漬けの名店「蝦夷松前 龍野屋」で作られており、きちんと手間暇かけ発酵されているからこそ、塩出しの必要はありません。熱湯をそそぐだけで、絢爛と咲き誇る花びらひとひらひとひらを愛でるひとときは、ほっこりと夢ここちです。
花見のお供にお湯に一輪、熱燗に一輪、あるいはお抹茶やシャンパンに一輪……桜の花漬けを浮かべるだけで、いつでもどこでも、春の宴の幕があがります。