女性の味方!皮膚科医に聞く紫外線対策の秘訣
[PR]2016年08月26日
暑さがおさまってきたら紫外線対策は終わり!と思っている方、気をつけてください!夏が終わっても油断は禁物です。実は紫外線による肌トラブルは夏だけのものではありません。今回は肌トラブルの救世主・皮膚科の先生に取材を行い、「自分の肌タイプは?」「この紫外線対策は正解?」といった疑問をぶつけてきました。そして分かったのが「予防の大切さ」です。私たちは夏じゃなくても慢性的に紫外線によるダメージを受けていて、ケアを怠っていると病気につながる可能性も・・・。紫外線から自分の身を守るための知識を紹介します。
日焼けやシミ・・・紫外線による肌トラブルは夏だけじゃない
紫外線による肌トラブルといえば、夏場の「日焼け」や「シミ」を思い浮かべる方が多いと思います。夏はしっかり紫外線対策をしているけれど、暑さがおさまってきたら紫外線対策は終わり!と思っている方、気をつけてください!実は紫外線による肌トラブルは夏だけではありません。地上まで届く紫外線にはUV-BとUV-Aがあり、どちらも夏を中心に多くなりますが、UV-AはUV-Bに比べてエネルギーが小さいものの冬も夏の半量程度地上に届いています。
秋や冬も紫外線対策をせずに過ごしていると、ダメージが蓄積されて肌トラブルにつながる可能性もあるそうです。そこで今回は、横川ひふ科クリニックの院長 横川真紀先生に女性の肌トラブルについて、お話を聞いてきました。
女性の味方!皮膚科医の横川先生に聞く『紫外線による肌トラブルと紫外線対策の秘訣』
【今回お話しを伺った方】
横川ひふ科クリニック 院長
医学博士 皮膚科専門医 横川真紀先生
インタビュアー:日本気象協会 気象予報士 河島未怜
河島:きょうはとっても暑い上に日差しも強くて(※取材日は梅雨の合い間の晴れで、とても暑い日でした)、外を少し歩いただけでも、日焼けしないか心配になりました。日焼けのメカニズムについて教えていただけますか?
横川先生:日焼けは悪者みたいに言われがちですが、本来は肌を守るための防御反応なのです。UV-Bが皮膚の表皮に当たると、メラニン細胞が活性化してメラニン色素が生成されます。メラニン色素は「黒い防御壁」となって、より深部の真皮を守るために働きます。UV-Aは、人体への影響は弱いながらも地上までの到達量が多く、肌の奥まで届いて、シミやシワなどの長期的な肌トラブルを引き起こします。
河島:つい悪者と思ってしまうメラニン色素も、大事な働きをしているんですね。私は日焼けをすると「はじめ赤くなって、しばらくすると黒くなるタイプ」なのですが、日焼けのタイプは人それぞれだと聞きます。
横川先生:日本人のスキンタイプは大きく3つに分けられます。「かなり赤くなるけれど、あまり色が残らないタイプ(タイプⅠ)」「赤くなり、その後は色素沈着が起こるタイプ(タイプⅡ)」「あまり赤くならず、かなり色素が沈着するタイプ(タイプⅢ)」があります。
河島:なるほど、私はタイプⅡに当たりますね。どのタイプの方がシミができやすいのでしょうか?
横川先生:タイプⅠの方が一番シミができやすい体質と言えますが、女性が気になるシミやシワを引き起こす光老化はどのタイプでも起こりますので注意が必要です。
河島:どのタイプでも、油断できないのですね。シミにはどのような対策をしたらよいでしょうか?
横川先生:一番の対策はシミができる前の「予防」です。サンスクリーン剤(いわゆる日焼け止め)を一年中塗ることをオススメしています。さらに「適量塗る」ことと「塗り直しを行う」ことが大切です。日本人は適量の1/2くらいしか塗っていないというデータがあります。適量の1/2しか塗れていないと、効果は1/2どころか1/5くらいまで下がってしまうと言われています。
河島:1/5ですか!?せっかく塗っているのに、効果が期待できないのは悲しいですね。ちなみに適量というのは・・・どれくらいでしょうか?
横川先生:商品にもよるのですが、顔全体に対してクリーム状ならパール2粒分、リキッド状なら1円玉2枚分ですね。ベタつくくらいだと思ってください。白くなるのが気になる方は、透明なものや肌色のものを利用するとよいですよ。
河島:なるほど、ありがとうございます。予防が大切なことがよく理解できました。それでも予期せず紫外線をたくさん浴びてしまった!という時は、どういう対処をしたらよいですか?
横川先生:スキンタイプがⅠやⅡの人は、「まず冷やす」必要があります。赤くなるのは炎症が起こっているということなので、冷たいタオルなどで冷やしましょう。そして全てのタイプの人に共通して言えることが、「その日のうちに保湿ケア」をすること。乾燥しないようにお手入れを行いましょう。オススメはビタミンCを含んだ化粧水です。紫外線の影響が肌にすぐ現れない方でも、ダメージが蓄積されていきます。毎日の予防と事後のケアで、10年後20年後の肌が変わってきます。
河島:確かに、加齢とともに肌の回復するスピードも遅くなると聞きます。そういった予防や事後ケアが不十分だった場合、肌はどうなるのでしょうか?
横川先生:紫外線のダメージが蓄積することで起きる病気もあります。
紫外線による肌トラブルは病気につながっているかも?
横川先生:紫外線による健康障害は「急性」のものと「慢性」のものがあります。「急性」の代表的な症状は日焼けで、「慢性」的なものはシミやシワ、皮膚がん、白内障などがあります。ただのシミだと思っていたものが「日光角化症」という、皮膚がんのはじまりの場合もあります。
河島:ただのシミだと思っていたら、がんのはじまりかもしれないなんて…考えたことがありませんでした。どんな人がなりやすいのですか?
横川先生:日光角化症を発症するのは男女ともに60歳以上の方が多いです。長い時間屋外で仕事をしている方や、屋外スポーツが好きな方に発生しやすいと考えられています。症状は赤みを帯びたシミだったり、かさぶたのようなイボ状だったり様々で、顔など、紫外線が直接当たる肌が露出している部位にできることが多いです。特に高齢者は肌トラブルを加齢のせいだと考える方が多く、病気の発見が遅れることがあります。日光角化症は、「有きょく細胞がん」という皮膚がんのごく早期の病変です。そのため、放っておくと、一部の人は有きょく細胞がんに進行してしまう可能性があります。皮膚がんの症例のほとんどが日光角化症由来なのです。
河島:有きょく細胞がんに進行してしまう前に、日光角化症の段階で気づくことが大事なんですね。日光角化症は治療が可能なのでしょうか?
横川先生:はい、治療法はいくつかあります。主に、外科的な治療法と塗り薬による治療法があります。日光角化症の症状は患者さんによりさまざまですので、ひとりひとりの患者さんに適した治療法を選択しています。
河島:私が今からできることは、紫外線ダメージをためないためにも、紫外線対策をしっかりと行うことですね。そして、気になる症状があれば、肌トラブルは放置しないでお医者さんに相談するようにしたいですね。横川先生ありがとうございました。