① 食生活による対策 花粉症への効果が示されている食品があります。そういった食品を摂取してあげるのも一つの方法です。よく言われているのが、『ポリフェノール』です。ポリフェノールには、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンの生成を抑える効果もあります。ポリフェノールというと、赤ワインや甜茶に含まれる『甜茶ポリフェノール』や玉ねぎの皮に含まれる『ケルセチン』などが有名です。ポリフェノールの他、アレルギーの改善につながるものとして、ヨーグルトなどに含まれる『乳酸菌』もあります。『乳酸菌』は体内の免疫バランスを整えてくれる作用があると言われています。
② 生活習慣による対策 適度な運動をして汗をかくなど、毎日の生活習慣を整えることによっても、花粉症の症状の緩和につながることがあります。少し難しい言い方をすると、自律神経のはたらきを整えることに意味があります。自律神経には、緊張時に働く交感神経とリラックス時に働く副交感神経がありますが、適度な運動などで交感神経が優位な状態を作るようにすると、花粉症の症状が出にくくなります。また、生活リズムにメリハリをつけることで、副交感神経だけでなく、交感神経を使う習慣がつきます。今の時期から、花粉シーズンに向けて、メリハリのある生活で自律神経のはたらきを整えていくことも大切です。
③ 医療機関による初期治療 薬による初期治療を選択することもできます。花粉が飛び始める1~2週間前に医療機関を受診し、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬などを服用することで、発症してから薬を服用して対処するより、症状を軽減させることができます。また、日帰りの手術で、鼻の粘膜にレーザーを照射して症状を軽減させる方法もあります。ただ、粘膜は数ヵ月~2年で再生するので長期的な効果は期待できません。最近では、『舌下免疫療法』という治療法が注目されています。スギ花粉症の症状を和らげるだけではなく、スギ花粉症を治すことも期待される根本的治療法です。今から始めることで、スギ花粉の飛散量にもよりますが、いつものシーズンより症状が軽減することが期待できます。また、この治療は今年より来年、来年よりは再来年と、効果が高くなっていくものですので、なるべく早く実施されると、次の花粉シーズンをより楽に過ごすことができます。