日本の夏はジメ暑日が続いていた!?~tenki.jpラボVol.6その2~
[PR]2015年07月21日
tenki.jpラボVol.6その1では、世界との比較を見てきましたが、では日本国内では、どこがジメ暑指数が高いのでしょうか? 全国的にジメジメとした暑さが続く「二十四節気の大暑にあたる7月23日から処暑となる8月23日」の約1ヶ月間のジメ暑指数を過去10年分、比べてみました。
発表!日本全国ジメ暑ランキング
この期間のジメ暑日の日数が長かったのは、第1位熊本県、第2位鹿児島県、第3位奈良県でした。これらの県では、誰もが「暑くてたまらない」と感じるジメ暑日が1ヶ月近くも続いているのです。また、ランキング下位には北海道、東北地方が入っており、やはり北の夏は気温も湿度も快適で過ごしやすいということがわかります。
ジメ暑日の日数 47都道府県ランキング
※各都道府県の気象官署の数値をもとに計算
順位/都道府県/平均日数
1 / 熊本 / 25.9
2 / 鹿児島 / 25.8
3 / 奈良 / 25.7
4 / 高知 / 24.8
5 / 佐賀 / 24.7
6 / 大阪 / 24.0
7 / 香川 / 23.7
8 / 福岡 / 23.4
9 / 山梨 / 23.2
9 / 岐阜 / 23.2
9 / 京都 / 23.2
9 / 沖縄 / 23.2
13 / 岡山 / 23.0
14 / 愛知 / 22.9
15 / 鳥取 / 22.6
16 / 山口 / 22.3
17 / 広島 / 22.0
18 / 長崎 / 21.8
19 / 埼玉 / 21.4
19 / 福井 / 21.4
19 / 徳島 / 21.4
22 / 愛媛 / 21.3
23 / 大分 / 21.1
24 / 島根 / 21.0
25 / 滋賀 / 20.9
26 / 宮崎 / 20.4
27 / 富山 / 19.1
28 / 群馬 / 18.4
29 / 栃木 / 18.3
30 / 三重 / 18.2
31 / 和歌山 / 18.0
32 / 兵庫 / 17.8
33 / 千葉 / 17.1
34 / 福島 / 16.5
35 / 神奈川 / 16.3
36 / 長野 / 15.9
37 / 東京 / 15.6
37 / 静岡 / 15.6
39 / 山形 / 14.9
40 / 茨城 / 14.6
41 / 石川 / 12.6
42 / 新潟 / 11.5
43 / 宮城 / 9.2
44 / 岩手 / 6.9
45 / 秋田 / 5.8
46 / 青森 / 4.2
47 / 北海道 / 1.0
熊本、鹿児島、奈良はなぜジメ暑日が多いのか?
2013年8月21日の天気
基本的に日本の夏は暖かく湿った空気をもった太平洋高気圧に覆われるために暑くなります。梅雨の終わり頃になると、この太平洋高気圧が勢力をあげて梅雨前線を北へ押し上げ、日本列島は南から徐々に梅雨明けをしていくため、東日本に比べて西日本の方が先に夏の空気に覆われることになり、先行してジメ暑期間が始まります。さらにもう一つ、夏の空気を持ったチベット高気圧が大陸(西)から張り出してくるため、この二つの高気圧が重なる位置にあたる頻度が高い九州地方の熊本・鹿児島が上位にランクインしたと考えられます。また、東日本と比べて西日本は気温を下げる要素がほとんどなく、東シナ海や黒潮からの暖かい空気の流入が続くことも、ジメ暑指数が下がらない大きな原因と考えられます。さらに1位の熊本、3位の奈良はそれぞれ九州山地や紀伊山地にぐるりと囲まれた地形になっており、更に奈良は盆地であるため、熱気が逃げられない状態が続きます。そのため気温・湿度ともにぐんぐんあがり、非常にジメジメ暑く感じる日が続くのです。
ではここで、ジメ暑期間の長さが1位の熊本県で、ジメ暑指数最高値を記録した2013年8月21日の天気図を見てみましょう。
日本全国がすっぽりと高気圧に覆われていますね。この日は東シナ海に970hPaの台風12号が発生していることも重なり、南から暖かく湿った空気が流入したことで、非常にジメジメした暑い日となったのです。
気温も湿度もグッと上がるのが特徴の日本の夏。この特徴は、熱中症の要因である①気温が高い、②湿度が高い、③放射熱が強い、④風が弱い、ほぼすべてに当てはまります。様々な条件が一気にそろってしまう環境下ですから、他人事ではありません。常に熱中症対策は万全にするようにしましょう。日本気象協会では、熱中症予防啓発のため『熱中症ゼロへ』プロジェクトを推進しています。ぜひ「tenki.jp」で最新の熱中症情報をチェックして、熱中症対策に役立ててくださいね。