10月18日より寒露の末候「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)」となります。寒露末候は中国宣明暦では「菊有黄華(きくにこうかあり)」で、日本でも当初貞享暦ではそれを受けて「菊花開(きくかひらく)で、「蟋蟀在戸」は実はひとつ前の寒露次候となっていました。ところが宝暦の改暦の際、寒露次候と末候が入れ替わるという変更が行われ、このとき「蟋蟀在戸」が寒露の末候となったのです。くわえて読みも貞享暦では「こおろぎとにあり」でしたが、宝暦暦以降は「きりぎりす」と読ませるようになりました。と言っても、読み方は変わってもここで指している生き物は一貫して現代の私たちが知るコオロギです。
意味は「コオロギが家の戸(玄関)のあたりにいる」というシンプルな内容ですが、なぜコオロギは玄関にいるのか? 何をしてるのか? よくよく考えるとちょっとミステリアスな文言だと思いませんか?