近年、ゲンジボタルの保護や飼育についてはは盛んに行われていますが、ヘイケボタルの保護はほとんど行われていない状況で、特に都市部ではゲンジよりも絶滅の危惧は深刻です。田んぼという人里の環境に大きく依存し、いじらしいことに人の作った田んぼの泥の堤にもぐって羽化するヘイケボタル。現在の乾田化が進む栽培法と、整備された護岸では生きてはいけず、多くの地域で絶滅しています。また、ホタルの繁殖にもっとも害となるのは街灯や建物の明かり、車のライトなどの人間が出す強い光。これによってオスメスが出会えなくなってしまいます。日本人の営みとともに生きてきたヘイケボタルが、自然に生きていける環境を残してほしいものです。
参考文献
菜根譚 (岩波文庫・洪自誠)
参照サイト
ゲンジボタル和名考~江戸文学の視点から~後藤好正世界のホタルの種類と分布