「食欲の秋」全開!食べすぎが怖くなったので、秋と食欲の因果関係について調べてみた
2017年10月22日
どうして秋は食欲が増すのか調べてみました
10月も残すところ、あと1週間あまりとなりました。秋真っ盛りのいま、なぜだか食欲がどんどんわいてきて、ついつい食べすぎてしまう……という人も多いのではないでしょうか。
食べ盛りの年ごろならそれもいいのでしょうが、ある程度の年齢になると、「食欲の秋」なんてのんびりしたことは言っていられませんね。でも、一体どうして秋になると食欲が増してしまうのでしょうか? その理由については、いくつかの説があります。今回は秋と食欲の因果関係についてご紹介します。
理由1:美味しいものがあるから
収穫の秋、美味しいものが身のまわりにあるとつい食べ過ぎてしまう?
秋といえば、収穫の秋。例えば私たちの主食であるお米も、地域や品種によっても違いはありますが、9月ころに収穫され、10月頃には美味しい新米の出荷が始まります。
もちろんお米以外にも、秋にはたくさんのおいしい食材がとれます。クリ、ナス、イモ、カキ、リンゴ、マツタケ、サンマ、サケ……、ちょっと思いつくだけでも、秋に旬を迎える食材はたくさんあります。
作物の栽培方法や保存方法などが発達し、さらに海外からの輸入品も多い中、食材の旬が失われつつあるといわれて久しいのですが、それでも“秋だから美味しい”というものはたくさんあります。美味しいものが目の前にあれば、食欲が増すのも、ある意味当然のことではないでしょうか。
理由2:冬支度のため
冬眠の準備?来るべき冬に備えて食いだめする……という説も
秋といえば、まもなくやって来る冬に備える時期でもあります。日に日に気温が下がっていく中、厳しい冬を乗り切るためにエネルギーを体に蓄える、そんな理由もあるそうです。しばしば冬眠する動物に例えられることもありますが、体のメカニズムは別として、感覚としては似たようなものなのかもしれません。
また、気温が下がると体温を保つ(体の温度を上げる)ため、基礎代謝が上がります。消耗するエネルギーが増える分、食べる量も増やそうという働きが生まれるようです。
理由3:日照時間が減るから
日照時間が減って足りなくなるセロトニンを食べ物で補う?
秋といえば、日が沈む時間が毎日少しずつ早まって、夜が長くなってきます。日照時間が短くなると、精神を安定させたり、食欲を抑制するなどの作用がある脳内の神経伝達物質、セロトニンの分泌量が減るといわれています。そこで足りない分のセロトニンを補うため、たくさん食べてたくさん眠るという行動に出ると考えられています。
人間の体のメカニズムと自然の関係。科学的な説だけに説得力もあります。
理由4:結局、食べるのが好きだから?
人はもともと食べるのが好き?
このほかにも夏の疲れをいやすために体が栄養を求めているなど、秋と食欲の関係については、今回ご紹介した以外にもさまざまな説があります。どれが正しくてどれが間違っているというよりも、いくつもの要素が絡み合って、食欲増進という結果につながっているように感じます。
食欲といえば、よくテレビの番組などでも大食いを競い合うものがあります。実は、こうした大食い大会は江戸時代から行われていたといわれています。落語などでも大食いをテーマにした噺(はなし)がいくつもありますが、実際に、お饅頭など甘いものやごはん、蕎麦、ウナギ、お酒など「どれだけ食べられるか?」を競う大食い大会が開催されていました。
こうしたバトルが、秋に行われたかどうかはわかりませんが、「たくさん食べる」ということに対して、人はもともと強い興味を持っているようです。
── ちなみに、ロシアでは春の訪れを祝うお祭りで、ブリヌイというロシア風クレープをおなかいっぱい食べるという習わしがあります。古くから伝わるお祭りで、昔は食べすぎで命を落とす人もいたとか? 食欲の秋でも食べすぎには注意が必要です。