強さのシンボルとして「鷹」は多くのところに使われていると思って調べてみました。どうやら大きい「鷲」が圧倒的に多いようです。ヨーロッパに君臨したハプスブルグ帝国のシンボルが「双頭の鷲」は有名ですね。アメリカ合衆国のシンボルもハクトウワシですし、エジプトやメキシコの国旗にも鷲が使われています。国を表すとなると大空を滑空する鷲の大きさは鳥の王としてふさわしいのでしょう。
世界中でヒットしたハリーポッターシリーズ。みなさんご存じのハリーがホグワーズ魔法学校で暮らす寮の名前が「グリフィンドール」(黄金のグリフィン)です。このグリフィンは上半身が鷲、下半身はライオンの身体をもつ伝説上の生物です。そしてこの寮に住むのは「勇気ある者、勇猛果敢な騎士道」と高潔と勇気のイメージを鷲とライオンに託しています。
どうも「鷲」に一歩引けをとっているようですが、どこかに「鷹」がシンボルのところはないのでしょうか……と思いさがしてみると、ありました「福岡ソフトバンクホークス」です。今年のリーグ戦も頑張っているようで、成績を見てみると現在2位。さて1位は? なんと「東北楽天ゴールデンイーグルス」です。ここでも「鷹」は「鷲」に先を譲っているようです。「頑張れホークス!」と鷹も空から応援しているかもしれませんよ!
昔から大型の鳥を使った狩猟の方法として鷹狩りがありました。アジア大陸に起源があるといわれていますが日本でも古くから行われていたそうです。江戸時代は鷹匠(たかじょう)という職名が幕府、諸藩にあり飼育から調練、鷹狩りを仕切っていました。人間からみたら、その狩猟能力は大変魅力的であったにちがいありません。素早い動作に鋭い目とくちばし、爪を持つ大きな鳥ですが、みごとに飼い慣らし生活に取りいれていたとは素晴らしいと思いませんか?
今年生まれた鷹もいよいよ大空へ飛び立つ準備を始めます。健やかな羽ばたきを祈りましょう。
参考:
「鳥類図鑑」本山 賢司 上田 恵介
ブリタニカ国際大百科事典
日本国語大辞典
「鷹の生態」※一部内容を加筆・修正しました。